タシロマメのサヤ。2009/07/13 06時12分

タシロマメのサヤ。
先日タシロマメのサヤを見る機会があった。

タシロマメは別名タイヘイヨウテツボクとも呼ばれ、八重山諸島や太平洋諸島なんかに分布する。

「テツボク」というのは重く、固い木の総称。

石垣島や西表島に分布したタシロマメの多くは有用な木材として過去に伐採利用され、今では絶滅危惧種となっている。

外国にはまだたくさん生育しているのか、奄美大島の海岸では比較的たくさんのタシロマメの種子が漂着する。

以前にも紹介したが、今年は海岸で拾ったタシロマメの発芽にも挑戦している。

拾ってから1年以上のものでもちゃんと発芽、なかなか発芽率がよい。

発芽した株はこんな感じ。。


今回見ることができたサヤはどうやら西表島で採取されたものらしい。

長さは大きい方で30センチくらい。

種子はすでに抜けた後だったが、くぼみから見ると種子の大きさは3センチくらい、厚さはそんなにないんじゃないかと思う。

花は「白色または淡紅色」だそうだ。

いったいどんな木でどんな花なのか、一度見に行ってみたいものだと思う。

英名に迷う。2009/07/08 07時00分

モダマ。
先週末から奄美で拾った漂着物を整理し学名やら英名やらを調べたりしている。

そこで引っかかったのが資料の英名(英語名)。

例えばモダマの英名って、外国産のモダマ、Entada gigas なら「Sea Heart」、E. rheedii なら 「Matchbox Beans」などと呼ばれているようだけど、奄美に産するようなモダマ(E. phaseoloides)とか、八重山に産するようなコウシュンモダマ(E. koshunensis)とかは英名ってあるのだろか??

いろいろ検索してみると奄美のモダマは「St. Thomas bean」というのが出てきた。

コレは初めて見る英名、誰だ?「セントトーマス」って??

なんだかしっくりこないし、それほど広まっていないようなのだけど。。

そもそも「モダマ」というのは海岸に打ち寄せられた藻といっしょに見つかるので、昔のひとが海藻のタネか何かと間違えて「藻玉」と呼ばれるようになった。

コレを英語にすると「Seaweed ball」なんてことになるが、、この際シンプルに「Modama」でどうだろうか。

コウシュンモダマ(E. koshunensis)の方は台湾の高雄(コウシュン)を付けて「Kaohsiung Modama」で。。


イルカンダなんてのも英名があるのかないのかよくわからない。

沖縄の言葉で「色葛」という意味だそうなので、そのままいくと「Color Vine」。

ちょっと、迫力がないな。。

タシロマメ、起つ。2009/06/10 07時14分

タシロマメ発芽。
先月植えた「漂着マメ」の一種、タシロマメが発芽している。

タシロマメ。
こういうマメ。

ご想像の通り、田代さんという人にちなんで名付けられたらしい。。

マメは扁平な形で、表面にうっすらとシワがあるのが特徴。

先月、種子に傷を付け、ペタンと寝かせた状態で土に半埋めにしておくとヘソの部分から根が伸び、そしてムクリと起き上がった。

タシロマメは2年前にも発芽させたことがあるのだが、何度見ても派手な発芽だ。。

タシロマメ。
タシロマメは日本では沖縄の八重山諸島に自生する樹木なのであるが、過去に伐採利用され数が減ってしまい、何と絶滅危惧IA類!!

ただし奄美や沖縄の海岸に漂着するタシロマメの種子は比較的多く、これらの漂流元である東南アジアなどではまだ多く自生しているのではないかと思う。

さらに漂着するタシロマメには、大きさや形などから見て八重山のものとは種類が違うものが含まれているのかもしれない。

タシロマメ。
沖縄や奄美の海岸では漂着発芽しているタシロマメも時々見つかるようなのだが、条件が合わないためか、大きく成長するには至らないようだ。

ま、よく考えてみればタシロマメだけではなく、モダマをはじめとした漂着種子は、海岸で運良く発芽しても大きな個体に成長するということはほとんどないように思われる。

たぶん津波などでもうちょっと内陸部に運ばれたら発芽して大きく成長できるんじゃないかなと想像している。

気候的な条件と何百年かに一度のチャンス。

ま、大海原を旅する気長な漂着マメにとっては、それほど長く困難なものではないのかもしれないな。。



2009年漂着マメの成長日記更新しました。 →コチラ

漂着マメの発芽。2009/05/27 07時01分

マメ発芽。
2週間ほど前に植えた漂着マメがようやく根を出している。

本当なら1週間ほどで発芽の予定だったのだけど、おそらく温度がまだ低過ぎたのだと思う。

遅れてはいるが、植えたマメのうち8割ほどは発芽しそうな感じなのでヨカッタ、ひと安心。。

コチラ

さて、6月になったら2陣としてまたいろんなマメを植えてみたいと思っている。




例えばこんなヤツら。。

大奮発してレアなヤツも試してみたい。

さらに種子の熱湯処理も試してみようかと思っている。

種皮の厚い種子は熱湯で処理することにより発芽が促進されることがあるそうな。。

昨年はモダマは発芽に1ヶ月くらいかかったので、試してみる価値があるはずだ。

ハスノミカズラ。2009/05/02 21時34分

昨年植えたハスノミカズラが新しい葉を広げている。

ハスノミカズラは石垣島付近から熱帯地域の海岸付近に生育するマメ科の植物で、種子の一部が水に浮き、これが海流にのって散布され分布を広げるとされている。



これが昨年植えたハスノミカズラの種子で、奄美大島の海岸に漂着していたもの。

無事に発芽・成長し、寒い冬にも耐えて今では新たな葉を広げ始めているのだが、、、


(↑昨年11月の写真)

問題はその葉っぱ。

見よ!このバリエーションの豊富さ!!

基本的に偶数羽状複葉でよいと思うのだけど、発芽直後から成長するにつれて小葉の形やつき方が様々に変化しているのだ。

最初は1回羽状複葉だったのだが、その後「1、2回混合」(1〜2回羽状複葉と言うのかな??)になったり。


やけにでかいワカメのような小葉をつけてみたり。



さらに、小葉の付き方が対生であったり、互生であったり。

これらが植物の葉に時々みられる「先祖帰り」みたいなものなのか、「個体発生は系統発生を繰り返す」と言う反復説的なもの(?)なのか、ただ単純に「成長の過程」で片付けてよいのか、ナニがナンだかよくわからない。

ただ、ハスノミカズラの方もデタラメにこのような葉の出し方しているわけでもなさそうで、浜人さんのブログに紹介されているハスノミカズラの写真と見比べると、一定の順番が決まっているような気もする。

マ、どれくらいの期間がかかるのかはわからんが、おそらく最終的には一定の2回偶数羽状複葉に落ち着くようになるんではなかろうか。。

今年中にはそれなりに成長すると思うので楽しみにしたい。

それよりも、一度石垣島に自生しているヤツを見てみたいもんだ!!


ちなみに、葉軸の先っちょに小さな出っ張りがあった。

コレってシロツブに見られるような「トゲ」みたいなモノじゃないかなと思う。。