方解石を発見。2009/05/12 06時35分

物置の片隅で乳白色に輝くギザギザ、トゲトゲの石を見つけた。

なかなかの透明感と光輝で迫力がり、一瞬なんだかわからなかったのだが、よく見ると方解石の結晶だった。

方解石と言えば石灰岩を作る主要な鉱物で、マッチ箱をひしゃげたような菱形に割れる性質があることで有名だ。


こんな感じ。。

非常にもろく、ハンマーでコチンとやるとバラバラに砕けておもしろい。


方解石のもうひとつの特徴は、結晶の形が様々であること。

この方解石の結晶は三角錐みたいな形をしているのだが、この他にも犬牙状、釘頭状、六角柱状、菱面体などなど、、こまかいものまで含めると300種類くらいになるそうだ。



方解石なんてどこにでもある鉱物で、特にめずらしくもないのであるが、このような結晶となるとなかなか迫力があってイイ。

ただし、こういうモノをたくさん拾い集めていると、すぐに家がガラクタだらけになってしまうので、採取する標本は「特別な場合を除いて10センチ以下(できれば5センチ以下)」と決めている。

この方解石の結晶は30センチくらいあり、完全に規格外だ。

ここで適用されるのが「特別な場合」なのであるが、その基準のひとつが、「他人がほしがるかどうか」ということ。

もし他人がほしがるような標本であれば、いざとなればあげてしまえばよろしい。

この方解石はたぶん貰い手がいるだろうと思い、今のところキープしている。

漬物石にもちょうどいい大きさだ。。

石のような木のような石。2009/03/23 22時10分

コレ、珪化木と言う木の化石、つまり「石」なんである。

一見すると丸く摩耗した木のカケラにも見えるが、手に取るとずっしりと重く、固く、石であることがわかる。



シマシマに見えるのは木の年輪がそのまま化石となったためで、拡大してみるとまるで木そのもの。


保存のよいものは木の組織である導管まではっきりと確認することができる。

この導管の配列の仕方などで、ある程度の樹種の特定も可能なはず。

切断して研磨すればキレイな組織が観察できると思うのだが、コレにはちょっとした設備投資が必要だな。

やめとこ。。


小さなものをタンブラーにかけるとなかなかいい感じ。



この珪化木は3年ほど前、北九州のとある海岸でたくさん拾った。

この地域には3000万年ほど前の地層が分布しており、この中に珪化木が含まれる。

つまり、3000万年ほど前の木の化石。

決して珍しいもんではないのであるが、細かな組織まで保存され、そして何より頑丈!!

落としても、蹴飛ばしても壊れることのない珪化木は、ある意味とても魅力的な化石なんである。

地質調査に行く。2009/03/17 19時45分

地質調査に行く。
この地域の地質を調べている人に誘われ、地質調査に同行することになった。

調査ルートは尾根沿いの古い歩道で、標高差は900メートルくらい。

でてくる石は砂岩、泥岩、チャートのみ。

昔々、四国でさんざん苦しめられた、秩父帯の付加体なんである。。

せめてもっといろんな石が出るとおもしろいんだけど、、


ハンマーを持ってブラブラ歩いただけであるが、地質調査なんて何年ぶりだろうか。。

霞のせいで視界はイマイチであったが、天気は上々。

とても気持ちのよい一日だった。

エルバを見るまで。2009/03/16 07時30分


「石」のカテゴリが今ひとつ充実しないので、3年ほど前に採取したリチア電気石という鉱物を紹介しようと思う。

リチア電気石というのはリチウムを含む電気石(トルマリン)で、英名をエルバイト(elbaite)と言う。

ピンク色や緑色をしたとても美しい鉱物で、質の良いものは宝石となる。


今から3年前、自分は福岡市内に住んでいた。

街中での生活や慣れない仕事。

いろんなことに疲れた時、数少ない癒しの場だったのが、Nという鉱山跡地。

福岡の中心部からほど近い場所にある。


ここは戦前まで、日本では珍しいリチウムを産する鉱山であったそうだ。

今では鉱山を思わせるような痕跡はほとんどなく、ヤブの中に鉱石屑「ズリ」が散らばっていた。

このズリの中にお目当ての鉱物、リチア電気石が見つかるのだ。。





この場所ではピンク色、透明、緑色などのリチア電気石が見つかるようだが、もちろんそう簡単にはいかない。

何度も何度も、毎週のように通いつめたのだが、リチア電気石はもう探し尽くされていて、めったに見つかることはない。

ふと拾い上げた小石に、思いがけずタイトル写真のヤツを見つけた時には雄叫びをあげて喜んだものである。


この他にもリチウムを含む珍しい鉱物が見つかる。

赤紫色をしたリチア雲母。


これは探せばまだけっこう見つかった。

何ともいえない派手な色が、何と言うか、日本ばなれしている。。


短波紫外線にを当てると強い蛍光を発する燐灰ウラン鉱という鉱物も産出するとのことで、ミネラライトを片手に夜の鉱山跡を探索したこともあったが、これはついに見つかることはなかったな。

宮崎小旅行2。2009/02/12 21時30分

県庁を見学し、そのまま帰宅するのもナンなので「鬼の洗濯板」で有名な景勝地「青島」に向かうことにした。

ビールで有名な「チンタオ」ではなく「あおしま」である。

途中、ジャイアンな連中がキャンプをしているようなところがあったが、これには特に興味なし。。


青島までは宮崎市内から自動車で約30分。

これで自宅に戻るには3時間半ほどかかることになるな、、などと考えつつ到着。

 

お〜、きれいなタービダイト、、いやいや、洗濯板だ。

浸食に弱い泥岩層だけ削り取られ、丈夫な砂岩層が浮き出て巨大な洗濯板のように見えるのだ。

 

洗濯板など、自分ももちろん使ったことはないのだが、今の子供たちはぜんぜんわからんだろな。